お客様の髪の悩みは、時代とともに多様化しています。
特に「乾燥・パサつき」 「ダメージ」 「くせ・うねり」といった悩みは高頻度で確認されており、幅広い年代で髪の質感向上とくせ・うねりケアが強く求められています。
従来のシステムトリートメントや酸熱トリートメントでは、持続性や仕上がりの質感に課題を感じるケースもあります。
このような背景の中、ダメージを懸念せずうねりやクセをあきらめたくないお客様のために開発されたのが、髪質補整とコスメストレートの発想を組み合わせた「サンコール フォルムメイク」シリーズ、ハイブリッドストレートトリートメントです。
本記事では、2025年5月21日にデビューした、この画期的なトリートメントシステム「フォルムメイク」の技術的詳細と、サロンメニューとしての可能性を解説します。
フォルムメイクの核心:ハイブリッド ストレート トリートメントとは
フォルムメイクは、「髪質補整トリートメント発想」と「コスメストレート発想」という2つの異なるアプローチを融合させたシステムです。
これにより、手触りが良く、うねりをおさえる技術を実現し、「持続性のあるトリートメントでパサつきやツヤの無さをケアしたい」 「うねりやクセを落ち着かせたいけれど髪のダメージが気になる」といったお客様の悩みを、毛先まで美しい髪づくりでサポートします。
このシステムは以下の二つの主要な技術で構成されています。
1. TRIPLE BONDING SYSTEM(トリプル・ボンディング・システム)
「ケア性能」と「うねり抑制」をバランスよく両立させるための、髪質補整トリートメント発想に基づいたシステムです。
熱を加えることで毛髪内部に新たな結合(架橋)を形成し、髪の強度や質感の向上を促します。
主要な架橋成分は以下の通りです。
| 成分名 | 特徴とメカニズム | 
| トステア(アミノエチルチオコハク酸ジアンモニウム) | 髪内部で最も強力な結合(架橋)を形成する成分です。 アミノ基1つとカルボキシル基2つを持ち、80℃以上の熱処理でこれらの3か所で毛髪内部を固定(架橋)することで、効率的にうねりやクセを落ち着かせることが可能となります。 毛髪強度の向上、うねりやねじれの補正、ツヤ・質感の向上といった効能効果が期待されます。  | 
| レブリン酸 | 植物(サトウキビやトウモロコシ)由来の有機酸です。 熱を加えることにより毛髪内部のアミノ基と結合(架橋)し、持続性のあるトリートメント作用を発揮します。 酸特有のニオイが少なく、カラー毛との相性が良いのが特長で、やわらかでツヤのある仕上がりになります。  | 
| γ - ドコサラクトン | 植物(菜種)由来のオイル成分です。 60℃以上の熱を加えることで毛髪内部のアミノ基と結合し、持続性のあるトリートメント作用を発揮します。 髪全体を均一にコートし、キューティクルを閉じることでうねりを抑制し、まとまりのある髪へと導きます。  | 
2. COSME STRAIGHT SYSTEM(コスメストレート・システム)
うねり・くせをおさえ、ベースを整えるためのコスメストレート発想に基づいています。
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毛髪軟化成分(還元剤)
チオグリコール酸塩とシステアミンのダブル処方を採用しています。
2つの還元剤をミックスすることで、薬液が毛髪の親水性部と疎水性部に均一に浸透し、毛髪内部のS - S結合を切断、くせやうねりが伸びやすい状態に整えます。 
フォルムメイクの優位性:グリオキシル酸系との比較
フォルムメイクのハイブリッド技術は、従来の酸熱トリートメントで使用される一般的な「酸」(例:グリオキシル酸)と比較して、明確な優位性を持っています。
| 特徴 | フォルムメイク | グリオキシル酸系 | 
| クセ毛の緩和力 | より更に緩和力がある | 緩和力がある | 
| 仕上がり | やわらかい仕上がり | ハリ・コシのある仕上がり | 
| ツヤ | ツヤのある仕上がり | ツヤがある | 
| 持続性 | 通常のトリートメントよりも効果の持続性が高い | 持続性が高い | 
| その他 | 髪質に左右されにくい。 一度の施術で効果がわかりやすい。  | 
フォルムメイクは、グリオキシル酸系よりもクセ毛の緩和力がありながら、ハリコシが出すぎることを避け、やわらかい質感に仕上げたいプロフェッショナルにとって理想的な選択肢となります。
サロン施術の流れと製品ラインナップ
施術プロセス(適切な手順と方法)
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カウンセリング
お客様の髪のうねり、くせ、ダメージの度合いを確認し、仕上がりの希望に応じて「フォルムメイク 1M」または「1A」を選定します。 - 
プレシャンプー・タオルドライ
軽く洗い流し、水分をしっかり拭き取ります。 - 
前処理
お客様の髪の状態に合わせて(インナーケラスト、インナーモイスチャー、キューティクルコートなど)選択使用します。 - 
1液塗布
「フォルムメイク 1Mまたは 1A」を塗布。
くせの強い部分(ネープなど)から塗り始め、自然放置します。 - 
中間処理
お客様の状態に合わせて使用します。 - 
ドライ
シャンプー後、乾かします。
乾いたら、ストレートブラシなどで毛流れを整え、全体をドライします。 - 
アイロン操作
根元から中間にかけて軽くテンションをかけます。
中間から毛先にかけてテンションを弱くし、アイロン温度は180℃以下で行います。 - 
2液塗布
「フォルムメイク 2」を根元から毛先までムラなく塗布し、自然放置します。 - 
水洗・仕上げ
水洗後、【ボタニエンス スタイリング & ヘアケアシリーズ】で仕上げます。 
薬液ラインナップと選定基準
フォルムメイク1液には、髪のダメージレベルや髪質に応じた2種類があります。
フォルムメイク 1M
髪のくせ・うねりをおさえ、なめらかで扱いやすい髪へ導きます。
フォルムメイク 1A
自然なおさまりのいいスタイルと、つや感のある髪へ導きます。
髪質補整や履歴など髪の状態に合わせて、1Mと1Aを組み合わせた使用も可能です。
フォルムメイクが実現する髪の美意識
フォルムメイクは、うねり抑制だけでなく、髪の質感を高めるための豊富なケア成分を含んでいます。
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ダメージ補修・保湿成分
アクティブケラチン、アミノコンポジットx18(18種類のアミノ酸コンポジット)がダメージを補修し、うるおいのある髪に導きます。 - 
ヒートリアクションケラチンPPT
熱に反応することで毛髪の表面をコーティングし、うるおいを内側に閉じ込め、傷んだ部分を補修することで、まとまりやすい髪に導きます。 - 
ニオイ抑制
ヘマチン(毛髪保護成分)とグロブル(毛髪保護、ニオイ抑制成分)を配合し、施術中や施術後のニオイ残りを抑えます。 
フォルムメイクは、幅広い年代のお客様が抱える「くせ・うねり」と「ダメージ」の課題を同時に解決し、プロとして提供できる髪質改善メニューのラインナップを強化します。